科学者の反乱
The Scientists Revolt
Illustration by satoko
翻訳プロジェクト:訳/satoko、サイアン:画/カイ:解説 カイ書房/2001.9.15初版/280頁
story/あらすじ
アメリカ人マッキー・ドノヴァンはかれの人生における最大の冒険に突入した。そこは殺人者たちが薄い大気中に消失していく驚異的な科学と神秘の塔の高みだった。未来のアメリカでヨーロッパ支配を保とうと苦心する科学者の話。
chapters/章題
PROLOGUE - 2190 A.D.
序章−西暦2190年
- Twenty-Two Years Later
22年後- Murder in the Dark
暗闇の刺客- Mystery
ミステリー- Ghostly Disappearances
幽霊のような消滅- The Vanishing Mr. Greeves
消失したミスター・グリーヴズ- The Mystery of the Closet
クローゼットの秘密- Across Space
空間をわたって- A Prince of Sciens
科学のプリンス
history/初出
The Scientists Revolt,Jul.1939,Fantastic Adventure magazine
comment/コメント
"Beware!"『気をつけろ!』というタイトルで1922年11月に書かれた作品ですが、バローズはこれを"John Tyler McCulloch"というペンネームで売り込んだあげく、17年間売れずに結局バローズの名前で1939年、FANTASTIC ADVENTURES 誌の第2号に改題の上、掲載される事になったものです。もともとSFとして書かれたものではなかったらしいのですが、SF雑誌に売り込んだ結果、編集長Ray Palmerに大幅な手直しを加えられ、SF作品に作り替えられたようです。
オリジナルは1974年にファンジン"BURROUGHS BULLETIN"の#39に"Beware!"のタイトルで掲載され、続く#40には"THE SCIENTISTS REVOLT」が再録されています。
結局、雑誌発表のみで、アメリカ本国においてさえ単行本形式では刊行されたことはない幻の作品となりました。これは人気作家で版権にうるさいバローズとしてはきわめて異例のことです。
ぜひとも読んでみたいものだと思い、アメリカのファンにコピーでも手に入らないかと声をかけてみたところ、上記の"BURROUGHS BULLETIN"のコピーを送ってもらうことができました。さらに第2回翻訳プロジェクトにより全文を日本語化できたことは望外の喜びです。さらに、カイさんの手により、文庫本として完成させることもできました! satokoさん、サイアンさんの美麗イラスト付です。
内容は、未来都市を舞台にしたSFミステリで、同種の設定はERBにはほかにないと思います。編集者が勝手にSFに仕立て直したということのようですが、SF雑誌に売り込んだ時点で何らかの手直しか約束事はあったと思います。ちなみに原作品の"Beware!"もコピーを送ってもらいましたが、最初のほうを眺めた感じでは同じような文章です。どう変わったかはわたしの英語力ではつらいところです。