エッセイ Essey for ERB's world


ERBファンにあってしまったよ

written by Hideki Nagata

31 Sep.2000


 2000年9月、出張で東京近郊に一晩泊まることになった。そのことを知った当HPの常連の宮崎さん、おかぴーさんがオフ会を企画してくれたのだ! 自分以外のERBファンに会える! これは、じつに心ときめくものだった。
 それまでのつきあいの中にERBファンが皆無だったわけではない。ハードSFファンだと思っていた友人の部屋に火星シリーズがずらりと並んでいて、「実は嫌いじゃないんだ」と告白されたりとか、最近、掲示板にときどきカキコしてくれる奇漫亭さんも、ERBファンとは知らなかったとはいえ、20年近いつきあいになる(空白が10年以上有るが)。しかし、これらの友人知人と、バローズの魅力を語り合ったことはなかった。かつて、書店にバローズがあふれかえっていた時代であったにもかかわらず――いや、そうだったからこそ取り立ててファンであることを主張する必要を感じていなかったのか?――孤独なERBファンであった私は、4年前、ERBサイトをつくるまでは本当に飢えていたのだ。だから、いま、HPを巡って多くの方と(net上とはいえ)ERBのことを語り合えることに、大いなる喜びを感じている。
 まあnetでは大いに語り合っているとはいうものの、実際にあったことがないというのは残念ながら事実である。洋書などの入手も容易になって、地方在住のハンデはかなりなくなってきたとは思うが、この「実際にあう」ということに関しては残念ながら好転していない。地方都市在住の私にとっては、全国に散らばるファンと会うことはなかなかできないと思っていたのだけれど、今回、思いもかけずその機会を得ることができた。すべては宮崎さん、おかぴーさんのご尽力によるものである。感謝多謝。
 さて、長い前置きになった。石川県から羽田空港行きの飛行機に乗り、モノレール、山手線と乗り継いで上野駅に着いたのは夕刻近く。約束の時間まで、まだ1時間近くあったので、あわてずにすむように店の場所を確認し(すぐにわかった)、残った時間を近くの古書店で過ごしたあと、あらためて約束のお店に入っていった。店員に促されて店の奥を見ると……いたいた。初対面とはいえ、いかにもな3人連れ。宮崎さん、おかぴーさんに折紙アートの高井さん。Carlyさんもあとから少しだけ、参加するという。私を含めて総勢5人。私がもう少し早く東京に立ち寄る日時を連絡していればほかにも都合がついた方はいたかもしれない。ごめんなさい。まあものは考えようで、5人程度というのは話が分裂せずにすむ、ちょうどいい人数かもしれない。
 話の内容は……うーん、宮崎さんのレポートではかなり話が弾んだような書き方だけど、ぎこちなさもあったかもしれませんね。年齢も立場もそれぞれバラバラ、共通の話題といえばバローズだけど、そればっかり話していいものかよくわからない。的はずれなことをクチにしてしまったらどうしよう? と思ったかどうかは、知らない。単に食事しながらだったからだけかも。ただ、ぎこちなかったにせよ、その場を去りがたい、ずっとそのまま時間が止まっていて欲しい、と思わせるものだったのは事実だ。食事を終えたあと、場所を移して(宮崎さんの配慮により、地理に暗い私が宿のある成田方面へ移動しやすい場所を選んで)話は続いた。
 高井さんが持ってきてくださったお宝本の数々に熱狂し、武部画伯は世界に誇れる画家だという点で意見は一致し、他のERBファンの事情や動向については私以上に詳しい宮崎さんの話になるほどとうなずいた。私もなにか持ってきていればよかったのだが、長期出張が控えていたので、荷物を減らしてしまっていたのが無念。しかし、本当に楽しい時間でした。皆さん、ありがとう

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