ラピュータ刊

『武部本一郎少年SF挿絵原画集 上』

Cover Art by Motoichiro Takebe

武部本一郎:画/大橋博之:編/大橋博之:解説 ラピュータ/2007.07.01初版/103頁/2200円

僕らの懐かしい日々が甦る!
SF名作シリーズ
『銀河パトロール隊』『地底恐竜テロドン』『タイム・マシンの冒険』
カバー絵・口絵・挿絵原画収録。


contents


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 偕成社版〈SF名作シリーズ〉に収録された本から、武部本一郎画伯の手になる絵(表紙、口絵、挿絵)を集めた画集の上巻。今頃になって出版社が絵を遺族に返すことにしたようで、他のイラスト類が画伯の没後、散逸してしまった(いずれも確かなかたの手に渡ったと信じているが)だけに、これだけまとまっていることは貴重ともいえ、この間画伯の評伝類をものにしていた大橋氏が書籍にまとめることになったこととあわせ、当然のことであると思う一方、尽力いただいたであろう大橋氏と、英断を下されたラピュータ社には感謝しなければならないだろう。
 正直なところは、贅沢をいえばきりはない。何でこんなに小さい版形なのか(もっと大きな絵を見たかった!)とか、この薄さで2分冊ってどうよ(もうけ主義か?)とか、加藤直之氏編纂の画集と比べてあまり凝ったつくりになっていない(ただ集めただけ?)とか、いいだせば本当にきりがないのだけれど、ファンは贅沢だっていうだけで、果たして売れるかどうかもわからない画集にまとめるまでのご苦労を思えば、企画して通していただいたことにまず感謝しなければならない。
 なかなかこういういいタイミングはないかとも思うが、それだけに奇跡のようなこの企画。
 願わくば第2、第3と続いていってほしい。って、これが一番贅沢か?

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