ERB評論集CriticsismsforERB


挿絵画家 武部本一郎

大橋博之・著


 

GARAMON大橋博之/2007年8月10日発行/p24/500円


contents/内容


comment/コメント

 2007年7月7日〜9月30日、東京・弥生美術館にて開催された『武部本一郎展』に時期をあわせて刊行された、大橋氏編纂・発行のファンジン(個人誌)。美術館で販売されていたので、公式パンフに近いものといってもいいだろう。著者が〈SFJapan〉〈SFマガジン〉〈本の雑誌〉に書いてきた武部画伯関係の記事に加筆した内容で、決定版といってもいいかもしれない。ただしそれでも書き足らなかったようで、本当の決定版はいずれ書籍の形で刊行されるのではないかと思われる。乞うご期待。
 さて肝心の内容だが、これはもう、これまで各メディアより発信され、われわれファンが信じ込んでしまっていた武部本一郎、厚木淳、E・R・バローズの関係が根底からくつがえされる内容で、武部ファンはもちろん、バローズ・ファン、厚木ファンのみならず創元ファンにとっても必読といってよいだろう。現在のライトノベル隆盛に連なるイラスト満載の創元推理文庫SF第一号『火星のプリンセス』誕生秘話といってもよい。
 しかし、これがほんとうなら、って取材の結果だから本当なんだろうけれど、厚木さんのうそつき! って感じだ。でもこのうそ、心地よいうそでもあって、神話を構成するエピソードと思えば、素敵な挿話とさえいえるかもしれない。
 みなさん、プリンセスの頭上を飛行する3機の飛行物体を提案したのは、実は……さんだったんですって!
 あとは、本書を読んでください。薄いので、すぐ読めます。http://www.garamon.jp.org/に申し込めばいいのではないでしょうか?

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