ジョン・カーターのライヴァルたち

Great stories of interplanetary adventure
Swordsmen in the Sky
異星の剣士たち
Edited by
Donald A. Wollheim
ドナルド・A・ウォルハイム編

Cover Art by Frank Frazetta

contents/内容

• "Swordsman of Lost Terra" by Poul Anderson(1951)
  「失われたテラの剣士」ポール・アンダースン
• "People of the Crater" by Andre Norton(1947)
  「クレーターの人々」アンドレ・ノートン
• "The Moon that Vanished" by Leigh Bracket(1948)
  「消滅した月」リイ・ブラケット
• "A Vision of Nenus" by Otis Adelbert Kline(1933)
  「ニーナスの幻影」オーティス・アデルバート・クライン
• "Kaldar, World of Antares" by Edmond Hamilton(1933)
  「アンタレスの世界カルダー」エドモンド・ハミルトン

comment/コメント

　エース旧版の時代に編まれたアンソロジー。「エドガー・ライス・バローズの遺した業績である異星でエキゾチックな人々と繰り広げられる剣と驚異の冒険に魅了された読者は数百万にのぼる……」などといった裏書きは、編者がエースの編集長だったウォルハイムである、という点を差し引いても、当時のバローズに対する読者の熱狂ぶりがうかがい知れるというものだ。
　で、このアンソロジー。いわゆるバローズ・タイプの作品を集めたわけだが、執筆陣が見事である。「惑星間のとんでもない冒険譚のエキスパート」なんて紹介のされ方も陳腐に見える。おそらくはかつてはバローズの模倣も含めた安直な小説を量産していた次期もあったパルプ作家たちだったのだろうが、ブラケットやクライン以外はその後も時代の変化に応じて作風を進化させ、名を残した人たちばかりだ。

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