Tarzan the Epic Adventure(TV series)

TV Movie:Tarzan's Return(Part 1 & 2)
第1,2話『帰ってきたターザン』(前・後編)


story

 ターザンが帰ってきた! パリのパーティにあらわれた英国紳士グレイストーク卿はロシア皇帝の落胤ニコライ・ロコフによって捕らえられた伯爵令嬢コレットと彼女が身につけていた魔よけの水晶を追ってポール・ダルノーとともにアフリカに向かう。ロコフらに捕らえられ、奴隷売買にかけられそうなところを脱出、故郷であるアフリカのジャングルで生気を取り戻す。無事コレットを救い出したターザンはムガンビとともに、黄金の塔の謎を知る老人を伴ってジャングルへと分け入るロコフを追って、塔へと向かうが、いきなり襲いかかった来た大蛇に飲み込まれてしまう……!(以上前編)
 黄金の塔から赤い魔よけの水晶を盗んだロコフは封印されていた異世界への門を開いてしまう。そこは常に昼で、地平線がなく、大地がせり上がって天空へと消える、異様な世界だった。大蛇から脱出したターザンとムガンビも老人の要請を受けてロコフらを追って異世界ペルーシダーへの門をくぐった。恐竜が跋扈する異様な世界でターザンらは現地人の美女ジャナを伴い、ロコフを追う。ペルーシダーを支配する美女軍団メイハーズの女王モーラに取り入り、地上征服を企てるロコフだったが、ターザンの活躍で翼竜に変身したメイハーズ共々ペルーシダーに追い返され、門は無事閉ざされた。(以上後編)

Cast

役名 配役 声優
ターザン ジョー・ララ 菅原 正志
ニコライ・ロコフ アンドリュー・ディヴォフ 菅生 隆之
アレクセイ 青森  伸
コレット 田中 敦子
老人 辻村 正人
ムガンビ 牛山  茂
ポール 後藤  敦
アンリ 塚田 正昭
アフメット 田中 亮一
女奴隷 高森 奈緒
北川 勝博
落合 弘治
石井 隆夫
横尾 博之
海老原 英人
ジャナ 湯屋 敦子
モーラ 種田 文子
相沢 正輝


On Air

1996年8月28日 USA SYN
1999年11月24日午後11:00〜11:45 NHK-BS2(前編)
1999年12月2日午前0:00〜0:45 NHK-BS2(後編)

comment

 アメリカではTVの本シリーズに先立って放映された2時間もののスペシャル・ドラマであり、「映画」として分類されることもある。この作品は以前、『ターザン・リターンズ』のタイトルでビデオが日本でもレンタル、および販売されていたものと同じもので、日本でのTV放映にあわせて『帰ってきたターザン』とタイトルを変え、2分割の上、TVシリーズに組み込む形で放映されることになった。そういったわけで本国と日本では総話数が異なるという事態になったが、混乱のないようにしたい。
 さて、実はこの「帰ってきたターザン」を観るのは2回目になる。1回目はもう3年近くも前のこと。アメリカで主にターザンの映像系のホームページを展開している Matt Winans とメールのやりとりをするようになり(英語だったので大変だったが、当時はバローズのことを語り合える仲間が日本のNetにいるとは思っていなかった)、新作のTVシリーズがあってペルシダーやバルスームも登場するらしいと知ってぜひ観たいけど無理だろうなあ、といったことを書いたら日本にだってビデオはあるだろう、VHSなら観れるんじゃないか、ということになって送ってもらったのだった。当時はこれぞインターネットの醍醐味、だなんて思って感動しまくったものだ。ビデオはおもしろかったが、何せ英語。エンターテインメントだけに言葉はわからなくてもアクションや映像は楽しめて、せり上がるペルシダーに感動はしたが、細かいニュアンスはわからなかった。挿入されているスナックやスタトレのCMの方が楽しめたりして。
 ともあれ、今回あらためて観ての感想は、掲示板などで話題になったことの繰り返しではあるが、真剣白刃取りはないだろうとか、樹上のターザンと(ジャングルの)地面を歩いているやつとが同じスピードだとか、大蛇が唐突すぎるとか、ペルシダーへの渡航手段が魔法的すぎるとか、ペルシダーに関する説明が「地球の中心」なんていう訳の分からないものであるとか、ペルシダー人がいきなり英語をしゃべっていたりとか(マハールはテレパシーで会話しているらしいのでまだ許すとしてだ)、ゾラムの紅い花がターザンに惚れちゃったりとか、マハール族 Mahars がメイハーズなんて発音になってしまっていたりとか、マハールが目から光線出してたりとか、まあともかくいいたいことは山ほどあるにせよ、ERBファンであればまず楽しめるんじゃないか、ということだ。
 何がいいって、エンターテインメントに徹している、そこがいい。同じように「原作に忠実」を売り物にした映画『グレイストーク』が暗いばっかりの陰鬱な映画だったのに比べて、単純に楽しむことを追求した作り手の意志が伝わってくる。
 スタッフの意図はターザン・シリーズ後期の秘境もののエッセンスを持ち込むことだった、ということがわかる。そして、それは正解だった、といえるのではなかろうか。全22話が終わったあとあらためてそういえる作品であることを願うのみである。

Back<< >>Next


Homepage | tv | Epic Adventure