ゲスト・エッセイ Guest Essey for ERB's world


なにゆえ、私がかくも、たくさんのバローズさんのご本を渇望するのか!!
一主婦の悔悟と、失われた物を求めて、バローズさんの世界への新たなる探求の旅立ち

by 欲張りおかぴー


それは、ン十年前のこと、私が14歳のときのお話です。

本好きだった私は、いつも、本屋さんに入りびたり。ある日、近所の本屋さんに行ったときのことだと思います。なぜなら、私がその時のことで覚えているのはただ一つのことだけだから。

なんて、綺麗な女の人の表紙なのかしら。どんなお話が書いてあるのだろう。

それが、私と火星のプリンセスとの初めての出会いでした。

まだ、恋に恋をしていた年頃の私、なんてロマンチックなお話なんだろう。

でも、離れ離れなってしまったカーターさんと、デジャーソリスの運命は、というわけで、次の火星の女神イサス・そして火星の大元帥カーターさんのご本を買い、やっとひと安心したものでした。

で、しばらく、私はまた別のご本の世界をただよい、再び、火星シリーズに帰ってきた時は、高校生になっていました。

仲良くなった友達に火星のプリンセスの本を貸してあげて、その結果ファンになった友達は、火星シリーズを全巻買ってしまいました。

今度は、私が彼女から借りて、全巻読んだというわけです。

授業中も思わず、こっそり読んでしまったという私。

それから、また、バローズさんのご本を買い始めることになりました。

創元社の地底世界シリーズもみんな持ってました。美しい、アジョールの表紙の時間に忘れられた国の本も、そのあと、ほかのSF作家の方のご本にもめざめちゃって、武部画伯のやはり美しい表絵の魔法の世界のエストカーブシリーズも、全部。

ところが、いつしか時がたち、私も結婚し母になりすっかりSFは読まなくなってしまいました。そして、SFの本も押し入れなどにしまわれて、すっかり私の頭からは、忘れさられ・・・その間も、私はずっと本は読み続けていましたが、バローズさんのことはずっと忘却のかなたへと行ってしまったのでした。

ところが、それは、昨年のことです。

私は、本屋さんで、またあの懐かしいあの絵にめぐりあったのです。それは、私が14のときと変わらず、美しい姿のままの、火星のプリンセスでした。

3冊まとめて、合本になったということでした。そして、9月の終わりにパソコンを初めて買った私は、インターネットで初めて検索するとき、なぜか、あの美しい火星のプリンセスのことを思い出し、バローズさんってあるのかなっと思い調べてみたら、長田さんのHPに訪れることができました。

そして、そこで、私が見たものは、私と同じくらいの世代の方々が、どんなに、自分自身がバローズさんとの出会いを大切にしているかとか、人生の中で、もっとも感受性の豊かのときに出会ったバローズさんやその他のSFの本への、今だにもち続けている深い想いでした。

だから、私も勇気を出して、みなさんの仲間に入りたくて初めて掲示板に書き込みをしました。そのときから、私は自分が日々の中で失ってしまった何かを求めて探し物をし始めたような気がします。まず、手始めに押し入れ中をあけて、バローズさんのご本を探しました。でも、もう、私のアジョールはなく、ペルシダーも、地底の世界ペルシダーと美女の世界のペルシダーだけ。金星シリーズの最後の巻だけ持っていたのも、なくなっていたし、あとは、火星シリーズの3巻だけでした。

あのエストカープシリーズさえ、1巻と2巻しかないありさま。

みなさんの、書き込みをみるにつけ、ああ私ももう一度あの本を読みたい。その想いがどんどんつのります。

かくして、私は、私がかつて持っていたのに、無くしてしまった本、私がまだ読んだことがない本を求めはじめたというわけです。ムーンシリーズも、一度は買おうと思ったことありました。でも、私のお小遣いの都合上やめにしました。

ほかにも、いろんなものが欲しい年頃でしたので。

創元社のペルシダーシリーズは、たしか最後の美女の世界ペルシダーは、最後の部分が、版権の都合上、訳出できなかったので、早川のものだったらと思いお願いしました。

そして、特に言いたいのはターザンのことです。

私とバローズさんの最初の出会いは、本当のことをいうと、ターザンなのです。

でも、それはちゃんとした出会いとはいえないかもしれません。

なぜなら、私の読んだターザンは、小学館の少年少女世界の名作文学全50巻のアメリカ編の中のターザンだったのです。子ども向けに書かれていたターザンは、ああ、これでターザンはしあわせになってよかったという印象しか私にあたえませんでした。それに、一連のターザンの映画を、私はあまり好きになれませんでした。

ターザンというと、一種のスーパーマンのようで、明るくて、そんな印象しか私にはなかったのです。だから、ターザンシリーズの本は、本屋さんでみても、全然買う気にはならなかったのです。

ところが、今回のアメリカのテレビドラマによって、私はターザンのお話は、私と思い込んでいたものと、全然違っていたということに気づかされたのです。

はっきり、いいまして、あのドラマは内容がさっぱりわからない回が、しょっちゅうです。おまけに、内容がよくわかった回もつまらなかったりしました。

でも、でも、あそこにでてくるターザンには捨てがたい何かが、感じられるのです。

繊細で、豊かな人間味あふれるターザン。ターザンの揺れる感情・・・

私は、もっともっとターザンのことが知りたくなりました。

そして、あの脚本では、つたえきれない、バローズさんの書いた本当のターザンの本の内容を・・・

今出ている第一巻の最後のジェーンの悩みはすごくよくわかります。

今まで慣れ親しんだ世界を捨てて、愛する人のところにいくかどうかの女性の悩み。

そして、愛すればこそ、彼女のために身をひこうとするターザン。

もう、絶対ターザンとジェーンのことがもっと知りたいと思ってしまいました。

あの、テレビに対する不完全燃焼のところが、私をターザンの本がもっと読みたいという想いにさせたのだと思います。

今、私が感謝したいことは、このホームページを作ってくださった長田さん。

長田さんのおかげで、いろいろな方とお知り合いになることができ、また、いろいろなことで、助けていただいた方々。

そして、私をみなさんと、結びつけてくれたバローズさんに、武部画伯です。

これからも、私は、バローズさんをとおして、自分の忘れてしまったもの、自分のまだ気がついていないものを、探していきたいと思います。 


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