ジュニア版・世界のSF 13

火星のプリンセス
A Princess of Mars(1917)

Illustrated by Keizou Iwabuchi

内田庶:訳/岩淵慶造:画/金森達:装幀/内田庶:解説 集英社/ジュニア版・世界のSF 13/1970.02.10 初版/212頁


Story/あらすじ

戦乱うずまく火星にのりこんだ地球人カーターにおそいかかる奇怪な緑色人。恋と冒険のSF活劇

Chapters/目次

火星のプリンセス
第一部 ほろびゆく惑星
第二部 おそろしいたくらみ
第三部 星へのいのり
火星の黒色人
科学用語辞典
科学読み物・火星人

history/初出

Under the Moons of Mars, Feb.-July,1912 The All-Story
A Princess of Mars, 1917, A. C. McClurg

comment/コメント

 ネットオークションで購入した、集英社版。10社以上から刊行されている『火星のプリンセス』だが、この版の最大の特徴は「火星のプリンセス」以外に、第10巻『火星の古代王国』を構成する4編の連作中編の第2話 Black Pirates of Barsoom も収録してしまっていることだろう。なかなか面白いというか、大胆な編集である。
 本書のもう一つの特筆すべき点は表紙、口絵、挿絵に岩淵慶造さんが起用されているところ。個人的な話をすれば、実は、中学生のころ、一番好きなSFイラストレータは岩淵慶造さんだった。モノクロ画は絶品で、SFマガジンを買ってきたら、岩淵さんのイラストを探して作品を読んだ、というのは実はホントの話。ただ、カラー画の独特の色彩感覚にはちょっと違和感があった。SF画は、やはり武部さんが伝統作ったからかなあ。

ホームページ | 火星シリーズ