火星シリーズ1 MARS series 1

火星のプリンセス
A Princess of Mars(1917)

Illustrated by Osamu Tsukasa

亀山龍樹:訳/司修:画/野田昌宏:解説 講談社/火星シリーズ1/1967.05.28 初版/244頁


story/あらすじ

地球の勇士カーター大尉が火星で大活躍

chapters/もくじ

解説

history/初出

Under the Moon of Mars,Feb.1912,All Story Magazine(penname:Norman Bean)
A Princess of Mars,1917,

comment/コメント

 創元推理文庫で火星シリーズが刊行開始されるやいなや空前の評判を得たことはよく知られているが、そのことを証明する顕著な事実のひとつに、各出版社が争うようにして火星シリーズの刊行に乗り出したことが上げられる。創元版から3年以内に、岩崎書店、偕成社、集英社の大手出版社が相次いで少年少女向け叢書に収録、角川書店はカラーのカバー・口絵・十数葉の挿絵付の文庫本という、体裁まで創元推理文庫を意識した叢書を新たに創設した。そして、講談社などは創元を追って全巻刊行を企画したのである(正確には全11巻中の10巻だが)。
 本書が、その講談社版。訳者は岩崎版同様の亀山龍樹氏。ただし、こちらはわずかに対象年齢は高いようだ。といってもいわゆるヤングアダルト層向け、イマ風にいえばライトノベル風の体裁での刊行で、やはり「絵が入るような本=子供向け」あるいは「SF=子供向け」というのが共通の認識だったということなのかもしれない。
 表紙イラストは創元文庫では抽象画風の絵で表紙を飾っていた司修氏がカラーで描いている。デジャー・ソリスが白い肌で金髪だったり、昔話の王子様と王女様風なのは、そしてソートの顔がマンガ的なのは、やはり若い年齢層を意識してのものなのだろうか。

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