
Illustrated by Osamu Tsukasa
亀山龍樹:訳/司修:画/野田昌宏:解説 講談社/火星シリーズ1/1967.05.28 初版/244頁
story/あらすじ
地球の勇士カーター大尉が火星で大活躍。 ターザンの作者の痛快な宇宙活劇「火星シリーズ」第一作
夜空に赤くかがやく地球の兄弟星―火星。ギリシアのむかしふう戦いの神とあがめられたこの星は 空気はうすいが、その表面には運河がはしり、生物が住むといわれる。アメリカ南北戦争の勇士カー ター大尉は、ある夜アリゾナ山中のほらあなから、あっというまに火星にはこばれた。そこで大尉を 待ちかまえていたものはなにか。うでが四本で背が五メートル以上もあるたけだけしい緑色火星人、 足が八本で□が耳までさけた火星うま、とかげのおばけのような火星いぬ。このぶきみな世界で、大 尉は地球人そっくりのすがたをした、すばらしく美しい火星のプリンセス、ソリス王女にめぐりあい、 王女をまもるために、とくいの剣をふるって大活躍。しかし、危険はつぎつぎとおそってくる。はた して大尉は、王女をまもりぬくことができるだろうか。息もつかさない火星冒険物語。
chapters/もくじ
解説
history/初出
Under the Moon of Mars,Feb.1912,All Story Magazine(penname:Norman Bean)
A Princess of Mars,1917,
comment/コメント
創元推理文庫で火星シリーズが刊行開始されるやいなや空前の評判を得たことはよく知られているが、そのことを証明する顕著な事実のひとつに、各出版社が争うようにして火星シリーズの刊行に乗り出したことがあげられる。創元版から3年以内に、岩崎書店、偕成社、集英社の大手出版社が相次いで少年少女向け叢書に収録、角川書店はカラーのカバー・口絵・十数葉の挿絵付の文庫本という、体裁まで創元推理文庫を意識した叢書を新たに創設した。そして、講談社などは創元を追って全巻刊行を企画したのである(正確には全11巻中の10巻だが)。
本書が、その講談社版。訳者は岩崎版同様の亀山龍樹氏。いわゆるヤングアダルト層向け、イマ風にいえばライトノベル風の体裁での刊行と思われるのに、どうにも児童向けの訳語が選択されているように思われるのはそのせいなのか、それとも、やはり「絵が入るような本=子供向け」あるいは「SF=子供向け」というのが共通の認識だったということなのかもしれない。
表紙イラストは創元文庫では抽象画風の絵で表紙を飾っていた司修氏がカラーで描いている。デジャー・ソリスが白い肌で金髪だったり、昔話の王子様と王女様風なのは、そしてソートの顔がマンガ的なのは、やはり若い年齢層を意識してのものなのだろうか。