ジャンル・シリーズ別全作品リスト
List of all series


 偉大なる大衆作家バローズは多くのシリーズ作品を残しています。もちろん、作品構成上シリーズ化はされなかったものの見逃せない作品というのも多くあり、すべての作品に注目する必要はあるわけですが。
 というわけで、バローズの残した膨大な作品群を、ジャンル別、シリーズ別に分類し、それぞれの階層で、評価や、書誌的に明記すべきことを記してあります。また、原題、邦題併記で、あらすじ紹介として、文庫の扉文を転記してあるほか、表紙、登場人物一覧、目次なども掲載しています。これで、読みたいバローズを探してください!


ターザン

ターザン・シリーズ(TARZAN/JUNGLE series)

 ターザンといえば『ア・ア・アー』と奇声を上げて木から木へと移り歩く腰簑だけの筋肉男のイメージはないだろうか? あるとすればそれは、ヒットを重ねたハリウッド映画と、「ターザンごっこ」と呼ばれる幼児遊びの影響が強いものと思われる。原作のターザンはもっと人間くさい人物であり、その物語もまた多様なおもしろさをもっているのだということを知ってほしい。

 時は19世紀末。英国貴族グレイストーク卿ジョン・クレイトンは妻とともに赴任先に赴く途中、船員たちの反乱にあい、暗黒のアフリカ大陸の片隅の未開の地に取り残される。そこで産まれた子供は、両親の死とともに一匹の雌の類人猿カラに拾われ、ターザンと名付けられて密林の中でたくましく成長していく。彼はしかし類人猿ではなかった。彼の体を流れる人間の血は、彼を両親の遺品に向かわせ、やがて両親の遺した本から言葉を覚え、人間としての成長も遂げていく。そんな彼の前に、美しい人間の娘、ジェーンがあらわれた。彼女を愛するようになったとき、ターザンは人間として育てられなかったこととのギャップに悩むことになる。
SF作品

火星シリーズ(MARS/BARSOOM series)(3 Nov.200 renewal) 

『火星のプリンセス』こそ、日本におけるバローズの評価を決定づけた作品。ターザン作家ではなくSF作家として世に出した東京創元社と厚木淳氏に(そして小西宏氏に)感謝したい。と書くとターザン・ファンに怒られそうだけど、ターザン作家として浸透してしまっていたならばもっと早く絶版になっていただろうし、他の作品がどれほど紹介されたか怪しいものだと思う。野田昌宏氏による紹介も以前にあったはずだが、過去の人、歴史上の人物としての評価だったように思うし、(全巻刊行という)東京創元社の英断は貴重なエピックだった。この〈火星シリーズ〉の出版とヒットにより、20世紀初頭の時代遅れの作家と見なされていたバローズは実はまだまだ読者を引きつけ、魅させるだけの力をもった現役の作家であることを業界に認識させることになった。そして、その認識は彼に続くスペース・オペラ作家たちにも広がることになったのだった……。

 南軍大尉ジョン・カーターはインディアンに追われ、アリゾナの山中で気を失う。目覚めたとき、彼は火星にいた。凶暴な緑色人、美しい赤色人、そして多くの不可思議な生物がいる火星(バルスーム)で、カーターは低重力をいかして大活躍、やがて赤色人の王国ヘリウムのプリンセス、デジャー・ソリスと恋に落ち、結ばれ、火星の大元帥を名乗るまでになる。

地底世界シリーズ(EARTH'S CORE/PELLUCIDAR series)

 私的な話になるが、私が最初に読んだERBは野田昌宏訳の『地底世界ペルシダー』(あかね書房版)だった。それからハヤカワ文庫SF版を読み、太古世界シリーズから創元推理文庫へと進んだのだった。それだけ、当時中学生だった私を夢中にさせた地底世界シリーズなので、ぜひとも読んで欲しいという気はする。火星シリーズほど作り物っぽくなく、秘境冒険小説としても読めるので、初心者にはいいかもしれない。もちろん、面白いことは保証する!

 青年実業家デイヴィッド・イネスと発明家アブナー・ペリー老人は地底モグラで地底探検に出かけるが、地核を抜けてでた先は恐竜が跋扈する古代世界だった。地球内部は空洞で、そこには太古からの生命が絶滅することなく生きながらえていたのだ! しかもその地底世界の支配者は翼竜のマハール族で、人類は彼らの食料でしかなかった。デイヴィッドは翼竜が支配する時間のない世界で、原始人の美女ダイアンと恋に落ち、やがて地底世界ペルシダー帝国の皇帝として、文明を武器に翼竜マハール族を打ち倒し、地底世界に平和をもたらすべく闘いを開始するが……。

金星シリーズ(VENUS/AMTOR series)

(19 May.2007 renewal) 
〈火星シリーズ〉との関連でにたようなものと思ってこの〈金星シリーズ〉を手に取ると、びっくりすることになる。バローズ後期の作品だけに、一筋縄ではいかない工夫がたくさんひそんだ構成になっているからだ。
 厖大な遺産を相続した冒険好きな青年カースン・ネーピアはジョン・カーターにあこがれて宇宙船を駆って火星を目指すが、月の重力を計算に入れておらず、軌道が変わって金星に漂着してしまう。アムターと呼ばれる金星は厚い雲の下、怪獣が跋扈する別世界で、ネーピアは革命闘争に巻き込まれ、王女ドゥーアーレーを救う冒険にでることになる。

太古世界シリーズ(CASPAK series)

 バローズを、単なる大衆向け娯楽作家にすぎないと評価するSFファンがもしいたら、読んでみてほしい作品が2つある。ひとつはこの『時間に忘れられた国』(早川書房版では〈太古世界シリーズ〉)、そしてもうひとつは〈月シリーズ〉。むろん僕は、大衆作家としてのバローズこそが好きなのだが。
 潜水艦が漂着した南海の孤島キャスパックは、恐竜、猿人、原人が共存するロスト・ワールドだった。しかしそれだけではない秘密がその島にはあった。その島の生命は、個人史の中で生物進化を再現する生命だったのだ! 人間の次は、いったいなにに進化するというのか?

月シリーズ(MOON series)

 バローズはまごうことなきSF作家であったということを明確に示せる作品。バローズが壮大な未来詩を書いていたといったら驚くだろうか?
 ジュリアン一族と月人たちの逃走の歴史を描くシリーズ。火星を目指した宇宙船は月に不時着、その地底に広がる世界へと迷い込む。やがて、月人は地球に攻め込み、占領。多くの地球人は奴隷の身分に落ちるが、レジスタンス軍の奮闘により、やがて平和は取り戻される。数百年にわたる歴史は、時に軽快で、時に重く、まためくるめくものでもある。

その他のSF作品(Other Science Fiction Stories)

 ロストワールドもの、人造人間もの、未来社会シミュレーションものと、ジャンルだけを並べればH・G・ウェルズを思わせる構成。空想冒険作家だけにシリーズ展開されることが多いので、単独作品は少ない。パルプフィクション時代に全盛期を送った作家の哀しい性とでもいおうか。
冒険小説

マッカー・シリーズ(MUCKER series)

 日本ではSF作家として知られることになったために邦訳がおくれたシリーズ。邦訳以前の唯一の情報であった各書籍における野田昌宏氏の解説文から読みとれる評価は低いものだったので、作品としては期待していなかったのだが、実際に読んでみた感想としてはまあ楽しめるかな? というできになっている。
 シカゴのならず者ビリー・バーンは南海の孤島で美女をめぐってサムライの末裔たちとチャンチャンバラバラ。シカゴに帰ってもビリーの大暴れは続く。

その他の冒険小説(Other Adventure stories)

 秘境冒険小説、ヨーロッパの小国を舞台にした冒険物語、少年の成長物語、歴史小説と千差万別なその他小説群。単純に面白いけど、バローズファンになるなら、まずターザンや他のシリーズものから入ってほしいという気がします。
ウェスタン

アパッチ・シリーズ(APACHE series)

その他のウェスタン(Other Western stories)

 ショッディジージの物語を読む限りでは、バローズのウェスタンは歴史小説、時代小説という感じがする。僕のイメージするウェスタンはたとえばジョン・ウェインであり、クリント・イーストウッドであり、「荒野の少年イサム」であるわけで、その辺、ギャップがある。まあ日本の時代劇、チャンバラ小説も欧米人からみればそんな感じなのだろうから人のことはいえないが、できれば他の作品も読んで確認してみたい気はする。バローズの作品は、もっと豊かなものだと思えるから。
その他

歴史小説(Historical stories)

普通小説(other stories)


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