マッカー・シリーズ(MUCKER series)

Illustrated by Hisao Saitoh
Mucker series volume 1:"The Mucker"

series list/シリーズ・リスト

  1. The Mucker,1914
    「南海の秘境」創元推理文庫601-32/厚木淳:訳/斉藤寿夫:画
    "The Mucker",1921
  2. The Return of the Mucker,1921
    「風雲のメキシコ」創元推理文庫601-33/厚木淳:訳/斉藤寿夫:画
    "The Mucker",1921

comment/コメント

 日本ではSF作家として知られることになったために邦訳がおくれたシリーズ。邦訳以前の唯一の情報であった各書籍における野田昌宏氏の解説文から読みとれる評価は低いものだったので、作品としては期待していなかったのだが、実際に読んでみた感想としてはまあ楽しめるかな? というできになっている。
 シカゴのならず者ビリー・バーンは南海の孤島で美女をめぐってサムライの末裔たちとチャンチャンバラバラ。シカゴに帰ってもビリーの大暴れは続く。
 冒険小説としてはバローズ作品中トップ、というのは評者のルポフも言い過ぎで、やはりERBの作品としては異世界冒険物語や純粋なヒーロー小説に及ぶものではない。野田昌宏氏にいわせれば「ちょっとこれは」といった作品らしいが、冒険アクションとしてはまあまあの出来。ただ、これでバローズを判断されたくない。バローズの、異世界性の低いシリーズとして最初に紹介された作品群。本国版は1冊にまとめられているが、邦訳では分冊となった。下本は同じく分冊での刊行となった後年のペーパーバック版だと思われる。
 内容はというと、独特のクセがあって、従来の日本のERBファンにはついていくのに苦労するかもしれない。私も、「密林の謎の王国」まではかろうじてついていけたが、この作品では残念ながらバローズは感じられなかった。面白くないというわけではないんだけど、その思いは「アパッチ・シリーズ」まで満たされなかったのもまた事実。ちなみに重要な点としては武部本一郎画伯の残念な死の後に訳された最初の作品であるということがいえるかもしれない。斉藤氏の筆致は新鮮だが、それが違和感の原因の一つにもなっているのかも。非SFであることだけが唯一の救いか。

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