キャスパック・シリーズ(CASPAK series)

Illustrated by Motoichiro Takebe
"The Land that Time Forget"

この本の表紙絵は権利者である故武部本一郎夫人・武部鈴江さんの許諾により転載しています

series list/シリーズ・リスト

  1. The Land that Time Forgot/ Bowen J. Tyler's Manuscript,1918
    「時に忘れられた世界」ハヤカワ文庫SF12/関口幸男:訳/斎藤和明:画
    "The Land that Time Forgot",1924
    『時間に忘れられた国(全)』創元推理文庫601-17/厚木淳:訳/武部本一郎:画(全3編収録)
  2. The People that Time Forgot/ The Adventures of Thomas Billings,1918
    「時に忘れられた人々」ハヤカワ文庫SF17/関口幸男:訳/斎藤和明:画
    "The Land that Time Forgot",1924
    『時間に忘れられた国(全)』創元推理文庫601-17/厚木淳:訳/武部本一郎:画(全3編収録)
  3. Out of Time's Abyss/ The Tale of Bradley,1918
    「時の深き淵より」ハヤカワ文庫SF21/関口幸男:訳/斎藤和明:画
    "The Land that Time Forgot",1924
    『時間に忘れられた国(全)』創元推理文庫601-17/厚木淳:訳/武部本一郎:画(全3編収録)

comment/コメント

 バローズを、単なる大衆向け娯楽作家にすぎないと評価するSFファンがもしいたら、読んでみてほしい作品が2つある。ひとつはこの『時間に忘れられた国』(早川書房版では〈太古世界シリーズ〉)、そしてもうひとつは〈月シリーズ〉。むろん僕は、大衆作家としてのバローズこそが好きなのだが。
 潜水艦が漂着した南海の孤島キャスパックは、恐竜、猿人、原人が共存するロスト・ワールドだった。しかしそれだけではない秘密がその島にはあった。その島の生命は、個人史の中で生物進化を再現する生命だったのだ! 人間の次は、いったいなにに進化するというのか?
 本国では最初3作がそれぞれ雑誌掲載され、やがて1冊で刊行された。東京創元社版はその構成だが、のちのペーパーバックでは3分冊もあったらしく、ハヤカワ文庫SF版ではそちらの方の構成になっている。ドル箱だったバローズで大きく稼ごうという欲目か? しかしこのシリーズの展開からいえば、ハヤカワ版の方が気を持たせてよい。次が読みたくなるシリーズだからね。創元版の表紙は映画化された際のポスター版と、現在でも入手可能なプテラノドン版が普及しているが、ここではもちろん武部版を表紙にもってきてみた!
 作品としては、SF 作家としてのバローズの最高峰といってもよいのではないかと思われる。アシモフ「幼年期の終わり」を連想させるアイディアは、こちらの方が先駆だし(コナン・ドイル『失われた世界』と同時期の作品だ!)、しかも先をいっている。さらにバローズ・スタイルの大衆冒険小説としての骨組みをしっかり残しているというところが、この作品の本当の評価として、偉大な点だろう。本国ではシリーズとしては認知されていないようだが、個人の意見としては、火星やペルシダーと肩を並ばせてあげたい気持ちだ。月シリーズも同じことがいえるんだけど。生命進化の歴史をその一生のうちに再現する生命の棲む謎の島キャスパック。人類の次にくるものは果たして……? どうだ、わくわくしてくるだろう!?

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