火星シリーズ1
Mars/Barsoom series 1


火星のプリンセス
A Princess of Mars(1912/1917)


Cover Art by Hitosi Miura

小学館文庫 ハ10-1/小笠原豊樹:訳/三浦均:画/初版2012.3.11


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story/あらすじ

 南軍の騎兵隊大尉ジョン・カーターは、ある夜、アリゾナの砂漠で、遠い地平線に浮かぶ軍神・マルス(火星)に引きつけられた。思わず両腕をさしのべると無限の空間に体が吸いこまれ、彼は、まさにその火星に降り立っていた。
 その時火星は、四本の腕を持つ獰猛な緑色人と地球人に似た赤色人が争う戦乱のただ中にあった。緑色人の捕虜になっていた赤色人の美女デジャー・ソリスを救出するために、地球人の卓越した身体能力を駆使してジョン・カーターの縦横無尽の活躍が始まる。
 スペース・/オペラの名作が、今、名訳で甦る。ディズニー映画「ジョン・カーター」原作。

Chapters/目次

  1. アリゾナの山にて
  2. 死者の逃亡
  3. 火星に着く
  4. 捕虜
  5. 番犬はまいたが
  6. 白ザルとの決闘
  7. 火星の育児法
  8. 空から来た美女
  9. 火星語をおぼえる
  10. 幹部の資格
  11. デジャー・ソリスとともに
  12. 権力のある捕虜
  13. 火星の恋
  14. 死の決闘
  15. ソラの身の上話
  16. 逃亡を企てる
  17. 奪還
  18. 暗黒の牢獄
  19. 闘技場で戦う
  20. 大気製造工場
  21. ゾダンガ偵察飛行士
  22. デジャー・ソリスとの再会
  23. 大空のかなたに
  24. タルス・タルカスの友情
  25. ゾダンガ攻略戦
  26. 虐殺から歓喜へ
  27. 歓喜から死へ
  28. アリゾナの洞窟で

history/初出

Under the Moons of Mars, Feb.-July,1912 The All-Story
A Princess of Mars, 1917, A. C. McClurg

comment/コメント

 映画『ジョン・カーター』の公開に伴って何らかの復刊がないかと期待したのは事実で、可能性があるとしたらかつて刊行していた角川か講談社かと思っていたが、裏をかかれて、小学館文庫より刊行された。訳者は角川文庫版も訳していた小笠原豊樹氏。言わずと知れた『火星年代記』ほかで知られる名翻訳家にして詩人・作家で、角川文庫版は(イラストは超問題作だったが)訳文についての評価は決して低くない。本書はそれに加筆訂正というが、御年80歳、近年は新刊もない小笠原氏が筆を執った可能性は低く、おそらくは固有名詞などの表記を編集者が映画版にあわせたゲラを認めた程度ではないかと邪推する。角川版は絶版久しいので、うれしい復刊ではある。
 何よりの収穫は、新たなバローズ絵師の誕生を得たことだろうか。三浦均氏はハルキ文庫での山田正紀作品の表紙絵で知られるが、独特の色彩感覚のある画家である。今作の表紙絵は映画版を踏まえた結果だろうが、武部画の影響(紫の衣)を受けていないデジャー・ソリスが新鮮。映画版のオバサンから、ずいぶんと若くかわいくなっているのもご愛嬌か。童顔の巨乳という点は武部さんの影響、ではなくて、本人の趣味かな?

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