火星シリーズ2/MARS series 2

火星の女神イサス
The Gods of Mars(1918)

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小笠原豊樹:訳/グーテンベルク21/2004/XMDF版 746KB/ドットブック版 197KB/テキストファイル 205KB


story/あらすじ

最愛の妻デジャー・ソリスの身を案じつつ地球で十年をすごしたジョン・カーターは、再び火星へ飛来、イス川が流れこむコルスの海のほとりに下り立つ。イス川の奥地には楽園があると信じられ、闘争に明け暮れる緑色人や赤色人たちの唯一の希望は、天寿を全うして、そこへたどりつくことであった。だがカーターが目にしたその地は楽園どころか、未曾有の怪奇でグロテスクな生物がうようよする地獄さながらの場所であった。火星人たちの迷信は徹底的に破壊され、女神イサスとの対決で物語はクライマックスへ。火星シリーズ第2弾。
エドガー・ライス・バローズ(米、1875〜1950)シカゴ生まれ。75歳で亡くなるまでに、20冊あまりのターザン物、10冊の「火星シリーズ」をはじめ、金星や月や地底やアメリカ西部を舞台にした数多くの小説を書き、大人気作家となった。その作品の多くは今日でも「一服のよく効く清涼剤」として延々と読みつがれている。

chapters/目次

  1. 植物人間 The Plant Men
  2. 森の中の戦い A Forest Battle
  3. 神秘の部屋 The Chamber of Mystery
  4. サビア Thuvia
  5. 危機の回廊 Corridors of Peril
  6. バルスームの黒い海賊 The Black Pirates of Barsoom
  7. うるわしの女神 A Fair Goddess
  8. オメアンの海 The Depths of Omean
  9. 永遠の生命の女神イサス Issus, Goddess of Life Eternal
  10. シャドール島の牢獄 The Prison Isle of Shador
  11. 地獄の反乱 When Hell Broke Loose
  12. 死の運命 Doomed to Die
  13. 自由をめざして A Break for Liberty
  14. 闇に光る目 The Eyes in the Dark
  15. 逃走と追跡 Flight and Pursuit
  16. 囚われて Under Arrest
  17. 死刑宣告 The Death Sentence
  18. ソラの話 Sola's Story
  19. 暗黒の絶望 Black Despair
  20. 空中戦 The Air Battle
  21. 水と火のかなたに Through Flood and Flame
  22. 勝利と敗北 Victory and Defeat

history/初出

The Gods of Mars, Jan.-May,1913, The All-Story
The Gods of Mars, 1918, A. C. McClurg

commento/コメント

 角川文庫版が評判悪いとすれば、安っぽい口絵や決して上手とはいえない表紙のイラストのせいが大きいかもしれない。創元推理文庫SF版の、粗悪コピー商品、といった趣なのだ。だが、訳文に関して言えば、そういう心配は無用だ。小笠原豊樹氏といえばブラッドベリ『火星年代記』をはじめとする流麗な訳文が知られ、評価は決して低くない。角川版自体がお宝化している現状、今回のデジタルブック版は「待望の」という枕詞をつけてよいものなのかも。

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