火星シリーズ2/MARS series 2

火星の女神イサス
The Gods of Mars(1918)

Illustrated by Hitoshi Miura

小笠原豊樹:訳/三浦均:画/小笠原豊樹:解説 小学館/小学館文庫ハ10-2/2012.04.11 初版/397頁



story/あらすじ

 十年の時を経て、ジョン・カーターは再び火星に飛来した。彼が降り立ったのは、火星人たちが憧れる死後の楽園−−イス川が流れ込むコルスの海のほとりだった。だが、そこは楽園どころか、白色人が支配する残酷な世界であり、彼らが至上の神と仰ぐ女神イサスは、よりいっそう残虐な黒色人の頭目の老婆だった。カーターは、火星人たちの迷信を打ち破るべく、ついに女神イサスと対決する。一方、カーターの身を案じてこの地獄を訪れた最愛の妻デジャー・ソリスは太陽殿という牢獄に閉じ込められてしまう。
〈ジョン・カーター〉シリーズ中の最高傑作ついに登場!

chapters/目次

  1. 植物人間 The Plant Men
  2. 森の中の戦い A Forest Battle
  3. 神秘の部屋 The Chamber of Mystery
  4. サビア Thuvia
  5. 危機の回廊 Corridors of Peril
  6. バルスームの黒い海賊 The Black Pirates of Barsoom
  7. うるわしの女神 A Fair Goddess
  8. オメアンの海 The Depths of Omean
  9. 永遠の生命の女神イサス Issus, Goddess of Life Eternal
  10. シャドール島の牢獄 The Prison Isle of Shador
  11. 地獄の反乱 When Hell Broke Loose
  12. 死の運命 Doomed to Die
  13. 自由をめざして A Break for Liberty
  14. 闇に光る目 The Eyes in the Dark
  15. 逃走と追跡 Flight and Pursuit
  16. 囚われて Under Arrest
  17. 死刑宣告 The Death Sentence
  18. ソラの話 Sola's Story
  19. 暗黒の絶望 Black Despair
  20. 空中戦 The Air Battle
  21. 水と火のかなたに Through Flood and Flame
  22. 勝利と敗北 Victory and Defeat

history/初出

The Gods of Mars, Jan.-May,1913, The All-Story
The Gods of Mars, 1918, A. C. McClurg

commento/コメント

 映画版『ジョン・カーター』の最大の功績は、小学館文庫版の〈火星シリーズ〉が、それも3冊も刊行されたことだろう。創元SF文庫だって1冊しか復刊しなかったというのに、角川文庫版の再録とはいえ、小学館、頑張った。しかし、解説、というか訳者あとがきまで1967年の角川版を再録というのはさすがにいかがなものか。小笠原豊樹氏がいくら大家とはいえ、解説を書きたい人はいくらでもいるだろうに、とか、思ってしまう。たとえばほら、ここに…

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