地底世界シリーズ7 PELLUCIDAR series 7

ペルシダーに還る
Savage Pellucidar(1963)

Illustrated by Seikan Nakajima

佐藤高子:訳/中島靖侃:画/野田昌宏:解説 早川書房/ハヤカワ・SF・シリーズ3244/1970.02.15初版/273頁


story/あらすじ

地底王国ペルシダーの皇帝デヴィッド・イネスは、一隊の戦士をひきいて、帝国を構成する連盟諸王国の国情視察に旅立った。だが、地図もない未踏の地底大洋<ルラル・アズ>の洋上に浮かぶアモズ国にまず立ち寄ったとき、早くも意外な事実を知らされた。連盟から脱退したスヴィ国軍が、900キロ北東にあるカリ国を侵攻しているというのだ。スヴィの王ファシュは、かつてイネスの愛する美女ダイアンを虜にして暴虐の限りを尽くした、憎っくき仇敵だった。イネスはただちに、50人の戦士からなる分遣隊をカンダーから借り受け、カリを目指して船出した。900キロの航海を経て、彼らの船はカリの正面の海岸に到達した。イネスはそこからひとりの伝令をカリの王ウースに急派した。伝令の名は<疾風のホドン>。勇気と忠誠をもって知られた戦士である。ホドンは獰猛な剣歯虎<タラグ>や巨大な翼竜<シプダール>の襲撃をかわして、一路、カリに向かって駆けに駆けた。だが時すでに遅く、カリ国は敵の掌中に陥り、さらにイネス自身、地底大陸征服の野望に燃えるファシュの計略にはまって、不覚にも捕らわれの身となったのだ!
人気シリーズ・ペルシダーのヒーロー、デヴィッド・イネスの最後の大冒険を描く決定版!

chapters/もくじ

第1部 ペルシダーに還る
第2部 青銅器時代の男たち
第3部 虎の女
第4部 野生のペルシダー

character/登場人物

デヴィッド・イネス ペルシダーの皇帝
アブナー・ペリー イネスの友人
美女ダイアン イネスの妻
疾風のホドン 伝令、サリ人
ガーク サリの王
ウース カリの王
オー・アア ウースの娘
ジャ アノロックの王
カンダー アモズの王
ファシュ スヴィの王
ラジ メゾプの族長
コー メゾプの男
アー・ギラク 老人
ガンバ ロロ・ロロの王
ホア ロロ・ロロの祭司長
ファープ タンガ・タンガの王
オープ タンガ・タンガの祭司長
ラ・アク カンダの男
ブラグ オー・アアの許婚者
ハムラー タンダールの族長
マナイ ハムラーの妻
ボヴァール ハムラーの息子
ステララ ガークの息子の嫁
ユータン ザーツ族の男
ジャルー ザーツ族族長
ザーク ジャルーの息子
ラジャ ロ・ハール人
ジャヴ 2等航海士

history/初出

  1. The Return to Pellucidar,Feb.1942,Amazing magazine
  2. Men of Bronze Age,Mar.1942,Amazing magazine
  3. Tiger Girl,Apr.1942,Amazing magazine
  4. Savage Pellucidar,Nov.1963,Amazing magazine
Savage Pellucidar,1963,Canaveral Press

comment/コメント

晩年のバローズに多い連作中編集。雑誌連載を乗り切る体力をなくしたのか、異世界冒険譚を停滞なく語るいい手法として考案したものなのかは定かではない。作品そのものは久しぶりに登場するアブナー・ペリーの珍発明に始まって、アー・ギラクやオオ・アーといった個性的なキャラクターの活躍も楽しい佳作。美女ダイアンも美しく描かれている。第4部はバローズの死後発見された作品。これによってこの連作は大団円を迎え、ついでにヒューゴ賞を受賞した。これは、画期的な出来事と言っていいだろう。ERBがヒューゴ賞? というひとも、いるのではないか。第4部は独占翻訳権が早川書房にある。

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