地底世界シリーズ3 PELLUCIDAR series 3

戦乱のペルシダー
Tanar of Pellucidar(1930)

Illustrated by Shuji Yanagi

佐藤高子:訳/柳柊二:画/野田昌宏:解説ペルシダー百科事典 早川書房/ハヤカワ文庫SF022/1971.04.30初版/345頁


story/あらすじ

 艱難辛苦の末に勝ち取った地底帝国ペルシダーの平和も、長くは続かなかった。獰猛なコルサール人海賊が襲撃してきたのだ。若き戦士<疾風のタナー>は、激しい戦闘の結果ついに捕虜として捕らえられ、今しも敵船上でコルサールの首領エル・シドから死刑の宣告を受けようとしていた。だが、突然の大嵐が彼を救った。彼は金髪麗しい敵の娘ステララとただ二人、何処ともしれぬ緑の島に漂着する……。一方、ペルシダー皇帝イネスは、寵愛する部下を救出すべく自ら小舟を漕ぎだして、大怪獣の住む未知の海へと乗りだしていた!

chapters/もくじ

プロローグ
  1. ステララ
  2. 暴風
  3. アミオキャップ
  4. レタリ
  5. タンドールの猟人
  6. 愛の島
  7. 「コルサール人だ!」
  8. マウ
  9. 愛と裏切りと
  10. 追跡
  11. グーラ
  12. 「あなたなんかきらい!」
  13. 三人の囚人
  14. 二つの太陽
  15. 狂気
  16. 彼方の闇へ
  17. 海へ
エピローグ

characters/登場人物

デヴィッド・イネス 地底帝国ペルシダーの皇帝
アブナー・ペリー イネスの親友
ガーク イネスの第一副官
タナー ガークの息子
エル・シド コルサールの族長
ステララ エル・シドの娘
血を好むボハール エル・シドの部下
フェドール ステララの真の父
ズラル ラルの族長
レタリ ラルの少女
マウ コピリーズ人
ジュード ハイム人
スカーヴ ガーブの族長
バラル スカーヴの息子
グーラ スカーヴの娘
フィット コルサール人
ジャ アノロックの王
ジェイスン・グリドリー バロウズの友人

history/初出

Tanar of Pellucidar,Mar.-Aug.1929,The Blue Book Magazine
Tanar of Pellucidar,1930,Metropolitan

comment/コメント

 ERBワールドの狂言回し、ジェイスン・グリドリー登場。前作で行き詰まったERBは、極地に大穴があいていて、地底世界とつながっているというアイデアと出会い、これをヒントにかつて迷い込んだ北欧の海賊のエピソードを作り、これを続巻の前哨編とした。文明化されつつあったはずのペルシダーは再び石器時代のやすらぎを取り戻し、ERB好みの世界が再現されている。そして次巻ではいよいよ、グリドリー君がとんでもない人物を引き連れてペルシダーを訪問、ついに主役を張ることになる。

<<BEFORE || NEXT>>


ホームページ | 作品リスト | 地底世界シリーズ / ハヤカワ版 1 2 3 4 5 6 7 / 創元版 1 2 3 4 5 6 7