地底世界シリーズ1 PELLUCIDAR series 1

地底の世界ペルシダー
At the Earth's Core(1922)

Illustration from Movie Poster and Motoichiro Takebe

厚木淳:訳/武部本一郎:画/厚木淳:解説 東京創元社/創元推理文庫601-19 /1973.05.18初版/232頁

この本の表紙絵は権利者である故武部本一郎夫人・武部鈴江さんの許諾により転載しています

story/あらすじ

新開発の地底試掘機に乗ったイネス青年と相棒のペリー老人は、勇躍、地球内部の探索に出発した。しかし出発早々、舵輪の故障によって機体は操縦の自由を失い暴走をはじめた。機内の温度はぐんぐん昇り、ついにふたりは失神状態となったが、そのとき試掘機は突然、停止した。地殻を貫通してふたりが到着したのは、なんと地球の創世記に、その内部でできた大空洞であった。無気味な翼竜が空を飛び、大空には静止して動かぬ太陽が輝き時間と方位が存在せぬ熱帯の神秘境ペルシダー。そこを舞台に、快男児イネスの波瀾万丈の恋と冒険の物語が展開する!

chapters/目次

プロローグ
  1. 永遠の焔に向かって
  2. 不可思議な世界
  3. 支配者の交替
  4. 美貌のダイアン
  5. 奴隷
  6. 恐怖の発端
  7. 自由
  8. マハール神殿
  9. 死の顔
  10. ふたたびプートラへ
  11. 四匹のマハールの死体
  12. 追跡
  13. 狡猾な男
  14. エデンの園
  15. 地上へ

characters/登場人物

ディヴィッド・イネス カネチカットの鉱山主
アブナー・ペリー 老技術者、古生物学研究家
美貌のダイアン 地底世界の住人。残虐な爬虫生物マハール族の捕虜
強い男ダコール アモズ族、ダイアンの兄
醜い男ジュバル ダイアンを追い回すアモズ族の男
毛深い男ガーク サリ族の王
狡猾な男フージャ マハール族の捕虜
ジャ メゾプ族の王
マハール族 ペルシダーの支配種族
サゴス族 マハール族の配下のゴリラ人間

history/初出

At the Earth's Core,Apr.1914,All Story Weekly Magazine
At the Earth's Core,1922,Mclurg

comment/コメント

 厚木淳ファン、武部本一郎ファンは待っていたに違いない創元版ペルシダー。ハヤカワ版がすでに刊行されていたにもかかわらず版を重ねたのは、武部本一郎=バローズというファンがいるためか? ただ残念ながら、初期の版のみ武部画の表紙で、その後は『地底王国』の邦題で映画化された際のポスターになってしまっている。古本屋で見かけるのも、ほとんどこの映画版。映画とタイアップすれば売れる、とでも思ったのだろうか。個人的には、やめた方がよかったのではないかとも思うが。最近、はたや氏のご協力により武部版を入手できたので並べて紹介する。いずれも中の口絵とモノクロ・イラストはしっかり武部。このころの厚木氏の訳文は少々あれており、書きとばしている感がある(読みやすさは相変わらずだが)。多忙もあって体調が悪かったのではないかと思われる。武部氏も表紙のダイアンなど、ちょっとデッサンが狂っている。残念だけど、きれいだからいいや。

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