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ターザン・シリーズ番外編 TARZAN series special

石器時代から来た男
The Eternal Lover(1924)

Illustrated by Motoichiro Takebe

厚木淳:訳/武部本一郎:画/厚木淳:解説 東京創元社/創元推理文庫601-26 /1977.11.11初版/280頁


story/あらすじ

 10万年前、それは人類の揺籃期にあたる石器時代であった。ひとりの純情で屈強な若者が恋する娘に捧げるため、未開の森を踏み分けて剣歯虎の首を取りに猟に出かけた。しかし、その時、大地震に見舞われ、この若者は洞窟の中に生き埋めになってしまった。そして10万年が経過する。いっぽう娘の方は何度となく生まれ変わって、20世紀の現代に生きるアメリカ女性に変貌していた。時間と空間を超えて、原始の男と文明の女を結ぶ不滅の恋と大冒険。そして万感胸に迫る終局。バローズ屈指の名作の読後の感動は読者の胸に永遠に生き続けるであろう!

chapters/もくじ

第T部
  1. 新第三紀の原始人
  2. 地震
  3. ヌー眠りからさめる
  4. 謎の猟人
  5. 見守る者
  6. ヌーとライオン
  7. ヴィクトリア、呼び声に従う
  8. アラブ人の捕虜となる
  9. ヌー、ナット=ウルを探しに出かける
  10. 足跡を追って
  11. 誘拐
  12. 穴居人、連れ合いを見つける
  13. ジャングルの中へ
第U部
  1. ふたたび地殻の変動
  2. 石器時代に戻る
  3. 巨大な穴熊
  4. <船造り族>
  5. ヌーのはじめての航海
  6. 猿人
  7. 獣追いのたき火
  8. 杭につながれて
  9. 戦い
  10. グロンの復讐
  11. <牛飼い族>
  12. トゥールの奸計
  13. ナット=ウルの失恋
  14. 「きみを助けに来たのだ」
  15. 洞窟の秘密

characters/登場人物

ヌー(ヌーの息子ヌー) 石器時代の若者
ナット=ウル その恋人
サー ナット=ウルの父親
トゥール <船造り族>の男
グロン その連れ合いの女
ヴィクトリア・カスター アメリカ娘
バーニー・カスター その兄
ウィリアム・カーティス その友人、愛称がビリー
バッツォー大尉 バーニーの友人
グレーストーク卿 ターザン
グレイストーク卿婦人 ターザンの妻ジェーン
ジャック ターザンの息子
エズメラルダ グレイストーク家の乳母

history/初出

  1. The Eternal Lover -Nu of the Neocene-,Mar.7,1914,All-story Weekly magazine
  2. Sweetheart primeval,Jan.23-Feb.13,1915,All-story Weekly magazine
The Eternal Lover,1924,McClurg
(aka.The Eternal Savage,Ace Books)

comment/コメント

 ターザンことグレイストーク卿と、生まれたばかりのジャック・クレイトンがゲスト出演。それ故にかつてはターザン・シリーズに含める見方があったようだが、あくまでゲスト出演といった扱いでもあり、タイムスリップテーマというか、リインカーネーション・テーマというか、の恋愛ロマンSFなので、あくまでも特別編程度に思っていればよいと思う。そうして見れば物語はおもしろいし、ERBには珍しい悲恋の物語で泣かせるものはあるし、タイムスリップとリインカーネーションとの組み合わせの妙がうまいなあと思わせてくれる。こいつはいい作品だ。
 ちなみにバーニー・カスターは『ルータ王国の危機』のヒーローもつとめた。ERBらしいお遊びの一環であろう。

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